ポートレートで自然な表情を引き出すために
「カメラの前では緊張してしまう」という方は多いです。それは当然のことで、見知らぬ人にレンズを向けられれば、誰でも少し固まります。自然な表情を引き出すのは、テクニックより時間と会話の問題だと思っています。
撮影前の15分間
撮影を始める前に、必ず15分ほど話します。撮影と関係のない話でも構いません。最近あったこと、好きな食べ物、今日どうやってここまで来たか。カメラを持たずに話していると、相手の表情が少しずつほぐれてきます。
この時間は、清水 文子にとっても準備の時間です。その人がどんな表情をするか、どんな角度が似合うかを、会話しながら観察しています。
シャッターを切るタイミング
「はい、笑って」と言って撮った写真より、笑い終わった直後の表情の方が自然なことが多いです。笑いが収まって、少し力が抜けた瞬間を狙います。
何かを話しかけて、相手が答えようとしている瞬間も良い表情が出やすいです。答えを考えているときの顔は、作っていない顔です。
指示は少なく、具体的に
「自然にしてください」という指示は、実は難しい注文です。「自然に」と言われると、かえって何をすれば良いか分からなくなります。
「少し顎を引いてください」「視線をあちらの木の方に向けてみてください」という具体的な指示の方が、動きやすい。指示に従って動いている間の表情が、一番自然なことが多いです。
表情は引き出すものではなく、待つものだと思っています。その時間を惜しまないことが、ポートレート撮影の基本です。